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ミュンヘンから東京へ:ContainerGridが国境を越えた循環型サプライチェーンを構築
ミュンヘンを拠点とするスタートアップ企業 ContainerGrid GmbH が「EU Business Hub @ Smart Energy Week Spring 2026」ミッションに参加した際、その目的は、循環型サプライチェーン向けテクノロジーが世界有数の先進工業国である日本にどのように貢献できるかを探ることでした。
東京での4日間にわたり、同社はエネルギー、自動車、電子機器、物流、リサイクルなど幅広い分野の日本企業と交流し、自社プラットフォームがますます複雑化する循環型経済の運営をどのように支援できるかについて意見交換を行いました。
ContainerGridが注力しているのは、産業経済の中でも特に連携が難しい分野の一つである、複雑な産業設備や材料のライフサイクル終了後(End-of-Life)の管理です。
同社のプラットフォームは、製造業者、リサイクル事業者、物流企業が回収・再資源化・再利用業務を効率的に管理できるよう支援し、分散した産業ネットワーク全体における可視化、トレーサビリティ、そして関係者間の連携を強化します。
現在、ContainerGridは70社以上の事業者と取引し、3,500を超える施設から成るネットワークに接続しています。
CEO兼共同創業者の アロン・ハンドレケ氏 にとって、日本は同社の技術と長期的な成長戦略に非常に適した市場でした。
「日本は製造業大国であり、世界中に膨大な産業資産を保有しています。エネルギーインフラ、商用車、電子機器はいずれも今後数十年の間に大規模なリサイクルや資源回収、更新が必要になります。まさに私たちが解決している課題です。」
明確な戦略と具体的な成果
ContainerGridは明確な目的を持って今回のミッションに参加しました。
単に幅広く交流するのではなく、事前に以下のような特定の関係者に焦点を当てて準備を進めていました。
- 資産保有企業
- 産業機器メーカー
- リサイクル事業者
- 金属精錬企業
- 日本市場での販売・事業展開パートナー候補
ハンドレケ氏は次のように説明しています。
「私たちは非常にターゲットを絞っていました。名刺を集めるために来たわけではありません。詳細なマッチメイキング戦略を準備し、各企業について事前調査を行っていました。」
ミッション期間中、同社は15件以上の商談を実施しました。
対象となった業界は以下の通りです。
- エネルギー
- 自動車
- 電子機器
- 海運
- 金属精錬
- 物流
- 建設
ハンドレケ氏によれば、これらの会話は単なる挨拶レベルではなく、具体的な事業課題に踏み込んだものでした。
「マッチメイキングセッションは本当に生産的でした。展示会でよくある表面的な会話ではなく、意思決定権を持つ担当者との具体的な議論ができました。」
商談相手には、
- 大手金属精錬会社
- 商用車メーカー
- 海運会社
- 発電事業者
- 不動産グループ
- 多国籍電子機器メーカー
などが含まれていました。
また、EU Green Transition Pavilion(EUグリーン・トランジション・パビリオン) への出展は、人間関係を重視する日本市場において信頼性を確立するうえで重要な役割を果たしました。
「EU Business Hubチームは、私たちの事業内容を深く理解し、適切な日本企業とのマッチングに多くの時間をかけてくれました。」
「EUパビリオンでのプロフェッショナルな展示スペースや、日本語・英語併記の印刷物は、日本企業からの信頼獲得に大きく貢献しました。」
想像以上だった技術的な議論
同社が特に驚いたのは、日本企業との議論の深さと技術的な具体性でした。
ハンドレケ氏は振り返ります。
「日本企業が慎重で関係重視であることは予想していましたし、それは事実でした。しかし、私たちのプラットフォームの運用面について、ここまで具体的に議論されるとは思っていませんでした。」
例えば、日本企業からは次のような質問が寄せられました。
- 協力事業者の認定・管理プロセス
- 危険物輸送との連携方法
- 仮想的な資源管理アカウントの仕組み
などです。
「技術やエンジニアリングに対する探究心の高さは予想以上でした。」
想定外の業界からも関心
東京に来る前、ContainerGridは最も大きな関心が集まるのは、
- エネルギーインフラ業界
- 自動車業界
だと予想していました。
実際にこれらの業界からは強い関心が寄せられましたが、それ以外にも新たなビジネス機会が見えてきました。
例えば、
- 建設・解体企業は建材リサイクルの管理に関心を示しました。
- リース会社は資産のライフサイクル管理と最終リサイクルまでの追跡に興味を持ちました。
- 物流企業は船舶リサイクルや資源回収について議論を始めました。
さまざまな業界に共通していた課題は、
多数の委託業者が存在する一方で、全体状況を一元的に把握できていないこと
でした。
ハンドレケ氏は次のように述べています。
「分散した廃棄物管理事業者を単一のプラットフォームに統合し、グループ全体で可視化とトレーサビリティを確保するというコンセプトは、多様な業界で強い共感を得ました。」
将来につながる具体的成果
ミッション終了時点で、同社は約15件の有望案件を獲得していました。
そのうち3件はすでに実証プロジェクト(スコーピングプロジェクト)に向けて進展しています。
対象企業には、
- 大手海運会社
- 商用車メーカー
- 電子廃棄物や銅の回収拡大を検討する金属精錬企業
などが含まれています。
さらに、
- 日本市場向けローカライズ戦略を支援するアドバイザー候補2名との関係構築
- 多国籍電子機器メーカーからのグローバル・イノベーション・チャレンジ応募招待
という成果も得ました。
市場参入を超えた価値
従業員5名未満のスタートアップであるContainerGridにとって、今回得られたアクセスは自力では実現困難だったとハンドレケ氏は認めています。
「EU Business Hubの公的な信頼性、事前に設定された商談、パビリオンのインフラなどは、自力で再現しようとすれば何カ月もの営業活動と数万ユーロ規模の費用が必要だったでしょう。」
さらに、
「投資対効果という観点では、これまで経験したビジネス開発活動の中でも最も効率的なものの一つでした。」
と評価しています。
現在、同社は日本企業向けの追加資料を準備しており、協議継続とパイロットプロジェクト推進のため再訪日も計画しています。
目標は、
今後6か月以内に日本で少なくとも1件のパイロットプロジェクト契約を締結すること
です。
今回の経験を振り返って
ハンドレケ氏は今回のミッションを次のように総括しています。
「EU Business Hubは、創業間もないスタートアップや初めて起業した経営者だけでは構築できないものを私たちに提供してくれました。それは、日本の産業界の意思決定者への制度的なアクセスです。」
そして、
「適切な場で、適切なタイミングで、その機会を得ることができました。わずか4日間で、自力であれば1年かかったであろう営業パイプラインを構築することができたのです。」